気ままに建築探索#2『旧普川住宅』

気ままに建築探索第2回目は、本町四つ角の近くにある大正13年に建築された旧普川住宅です。

この旧普川住宅は、なんと今年(2024年)でちょうど築100年!

秦野市内で現存する数少ない歴史的価値のある貴重な建築物の一つです。

もともとは、秦野物産や秦野銀行の頭取をつとめた普川家が所有する建物だったそうで、

関東大震災後に建築。大正末期に流行したモダニズム建築を特徴とした建物です。

当時流行していた和洋折衷の様式を取り入れた、

当時からモダンかつ精度の高いデザインであったと推測できます。

グレーの外壁と窓の木枠の雰囲気も素敵です。

外壁は砂、粘土、石灰を混ぜて吹き付けた通称「ドイツ壁」と言われる仕様であり、

ゴツゴツとした手触りで、とても味わい深く、どっしりとした重厚感があります。

たまに古い洋館の外壁で見られますが、最近ではとてもめずらしい左官工法のようです。

屋根は瓦葺の三角屋根。入口は今では少なくなった格子戸。当時のものだそうでとても趣があります。

現在はGreenGrainというイギリスアンティーク雑貨や家具の販売、オリジナルステンドグラスを制作する

お店になっています。2015年に建物をリノベーションし、新たな店舗として生まれ変わりました。

 

アンティーク雑貨、家具をあつかうこのお店にぴったりな建物であると感じます。

店内はリノベーションにより壁、床は張り替えられていますが、梁などは当時のままです。

最近は、古い建物を見かけることが少なくなってきました。

老朽化、耐震の問題などやむを得ず解体しなければならないケースもあると思いますが、

このように古い建物を違う形で受け継いでいくことはとても素晴らしいことだと思います。

現在の建物では決して表せられない美しさや職人さんのこだわりが見受けられるのも

古い建物の魅力でもあります。

お近くに来られた際は、是非お立ち寄りください。

【旧普川住宅】

交 通:小田急線「秦野」駅より徒歩10分

所在地:秦野市寿町1−23

【Green Grain/グリーン グレイン】

営業時間 10:00〜18:00

定休日 水曜・第1第3木曜

TEL:0463-84-2555

https://greengrain.jp