気ままにおススメ#7 映画『ケイコ 目を澄ませて』

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映画『ケイコ 目を澄ませて』

制作年/2022年
制作国/日本
監督/三宅 唱
主演/岸井ゆきの・三浦誠己・松浦慎一郎
上映時間/99分

今回は、映画『ケイコ 目を澄ませて』をご紹介!

本作は、実際に聴覚障害を持ちながらもプロボクサーとして活躍した小笠原恵子さんの自伝『負けないで!』を原案とした作品となっています。

主演は、秦野市出身の女優”岸井ゆきの”さんが務め、日本アカデミー賞女優賞を受賞✨
また、本作は2022年度の映画コンクールにて数々の賞を受賞しました!

実績十分!実際見させていただいても納得の作品でした(*’▽’)

あらすじ

主人公のケイコは、先天性の聴覚障害を持ちながらも下町のボクシングジムに通うプロボクサー。

母の心配に対して言い知れぬ思いを抱きつつ日々を過ごす中、ジムが閉鎖することを知る。

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映画の見どころ①目と耳で感じる映画

この作品の特徴として挙げられるのが2点あります。

1つ目が、『この作品は16㎜カメラで撮影されている』ということです。

今では珍しくなった16㎜カメラでの撮影により映画全体がレトロで味のある雰囲気を醸し出すと同時に、従来のカメラに比べて光と影を自在に演出することで視聴者はそのシーンにくぎ付けになります。

それはまるで、映画の題名にある”目を澄ませて”をケイコと視聴者双方をリンクさせるような演出だと思いました。

2つ目は、『演出による音楽は使用しない』ということです。

「普段は当たり前に感じている“音が聞こえる”ということを改めて意識し、またケイコにはこの音が聞こえていないということを意識するような音の設計を考えました」と三宅監督はおっしゃられており、実際その演出は狙い通り成功していると思いました。

また、この演出により、より主人公ケイコの想いを視聴者に考えさせる作用も生まれたのではないかと思います。
この感覚は初めてで、私にとっても新しい発見でもありました。

以上の特徴から、ぜひ鑑賞される際には”目”と”耳”でこの映画を感じてほしいです!

映画の見どころ②岸井ゆきのさんの演技力

冒頭にもお伝えした通り、この作品で岸井ゆきのさんは日本アカデミー賞女優賞を受賞されています。
その演技というのは、ただの映画好きの自分の目から見ても”素晴らしい”の一言に尽きます。

主人公は、先天性の聴覚障害であるため手話での会話が求められるうえ、プロボクサーであるということで、撮影3カ月前からボクシングの練習などに取り組んでいたそうです。

作中では実際のボクシングシーンが数多く登場し、それらはずっとボクシングをしてきたと言われたら納得してしまいそうなほどでした。

また、私が個人的に凄いと思ったのが、手話を使わずに表情で語るシーンです。

相手の言っていることが聞こえない。伝えたいけど声が出せない。

そのような中でどんな表情をするのか、私の目にそれはとても自然な演技として受け入れられました。

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最後に…

以上、映画『ケイコ 目を澄ませて』のおススメご紹介でした!

会見で岸井ゆきのさんは「ケイコにとってのボクシングは、私にとって映画のようなものだと思った。役作りをしていくうちに、ケイコは自分だと思うようになった」と振り返りました。
そして、「演技で脚色をしてしまうのは違う気がしたので、なるべく表現せずにケイコになりきった」とし、「今でも自分の中にケイコがいる」とおっしゃられました。

このコメントから分かる通り、岸井さん自身もこの映画(ケイコ)に対して、とても思入れがあるということが感じられると同時に、それを踏まえてスクリーンの中の岸井さんは自分のためにこの役を誠心誠意演じているようにも感じました!

ぜひ、岸井さんの演技にも注目しながら、映画『ケイコ 目を澄ませて』鑑賞してみてください(*´ω`)