気ままにハダノ#21『歌人・前田夕暮』

「気ままにハダノ」では、秦野に関する情報を気ままにお届け!

今回は、秦野市出身の歌人・前田夕暮をご紹介!!
かつて自然主義の代表歌人としてご活躍され、現在秦野市のいたるところに歌碑が建てられています♪

前田夕暮とは?

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前田 夕暮(まえだ ゆうぐれ)は、1883年(明治16年)7月27日~1951年(昭和26年)4月20日没の秦野市出身の歌人です!

若山牧水とともに自然主義文学を代表する歌人であり、「夕暮・牧水時代」といわれる時代を築きました。
その後、ゴッホやゴーギャンなど印象派画家の影響を受けた外光派風の作風を経て、昭和初期には口語自由律短歌を牽引し、後の口語短歌の基礎を固めました。

関東木材合名会社を経営する実業家としての側面も持ち合わせており、埼玉県奥秩父小森川水源地帯の山林開発に関わりました。
その名残として、現在でも埼玉県秩父市には夕暮の名に因んだ「入川渓谷夕暮キャンプ場」があります!

秦野と前田夕暮

前田夕暮は、現・神奈川県秦野市にあたる大住郡南矢名村の豪農の家に7人兄弟の長男として生まれました。

中郡共立学校(現・神奈川県立平塚農業高校・秦野高等学校)に入学するも中退し、各地を放浪していた道中で文学に目覚め投稿を開始。

21歳で東京に居を移し、自然主義の代表歌人として活躍する中でも、生涯にわたって丹沢山麓の歌を詠んでおり、夕暮にとって秦野がどれだけ影響を与えたのか、ふるさとへの強い思いを感じることができます!

前田夕暮代表作をご紹介!

・まなかひに朝の富士あり天雲をつらぬきて赤くそびえたるかもー『県立秦野高等学校歌碑』

【母校である県立秦野高校の生徒から、秦野に建てる歌碑のための歌を依頼され、夕暮自身が選んだといわれる一首】

・木に花咲き君わが妻とならむ日の四月なかなか遠くもあるかなー『収穫』

・向日葵は金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよー『生くる日に』

【印象派絵画の影響を受けて詠まれた、小中学校の教科書に採用されることも多い作品】

・自然がずんずん体のなかを通過するーー山、山、山ー『水源地帯』

【初めて飛行機に乗った時の感慨を詠んだ歌。口語自由律期を代表する作品】

最後に…

いかがだったでしょうか??

今なお、前田夕暮生誕の地として、夕暮祭短歌大会や夕暮記念こども短歌大会など定期的にイベントが行われている他、

秦野市立図書館では、前田夕暮記念室が設けられており、夕暮直筆の掛軸や原稿、書簡、著作、主宰雑誌、写真等が展示されており、夕暮の文学の一端に触れていただけるようになっています!

ぜひ、より前田夕暮について知りたい方は、行かれてみてはいかがでしょうか??(*´▽`*)

Written by Takumi